2026年夏、宜野湾市に、新しいランドマークとなる宜野湾海浜公園屋外劇場が誕生しました。
「AECオープンエアー シアター ぎのわん」として、これから多くの人に利用されていくこの場所。
私たちアメリカン エンジニアリング コーポレーションは、この施設の施工にスタートから完成まで携わってきました。
約8,000人を収容する屋外劇場。その完成した姿の裏側には、どんな仕事があり、現場ではどんな人たちが工事を支えていたのでしょうか。
今回、現場を支えてきた方々を代表して、私たちAECのメンバー4人に工事中の出来事や印象に残っている仕事、そして完成した劇場を見たときの気持ちを伺いました。
話を聞いたのは、現場代理人のCさん、監理技術者のMさん、監理技術者補佐のTさん、技術員のAさんです。

1ミリのズレも許されない、アーチの施工
今回の工事で特に印象に残っているのが、この施設のシンボルともいえる、ピンスポットアーチの施工です。そう語ったのはCさん。
ダイナミックな姿が目を引く鉄骨造りのアーチですが、完成までにはミリ単位の調整を重ねる、緻密な施工が必要でした。
施工は、アーチの左右両側から同時にすすめ、最後には空中でぴったりと合わる必要があります。「土台で1ミリでもずれると、上では合わなくなる」初めから、細かな精度が求められる仕事だったといいます。
しかも、アーチの施工だけを進めていればいいわけではありません。さまざまな作業を同時に進めるため、安全には細心の気を配る必要があったといいます。
ピーク時の現場では職人さんや関係会社の方から、一日に何十本もの電話が入ることが日常だったと、Mさんは振り返りました。
施工そのものだけでなく、人やスケジュールを調整することも、現場を進めるうえで欠かせない仕事でした。
完成した劇場を見ると、目に入るのは一つの大きな建物です。
けれど、その過程には、細かな確認と調整を繰り返してきた現場の仕事があります。

点が線に、線が面に、面が立体に。
今回の工事を振り返る中で、4人からは「それぞれが、それぞれの場面で助け合っていた」という話が出ました。
もちろん、現場を支えていたのは、AECのメンバーだけではありません。
協力会社の皆さんにも力を借りながら工事を進めました。
その中でも、特に印象に残っていると名前が挙がったのが、墨出し(設計図をもとに、施工する位置や基準となる線を現場に示す作業)を担当した職人さんです。
正確さとスピードの両方があり、限られたスケジュールの中で工事を進めるうえで、大きな支えになったといいます。
一つの建物をつくる現場には、さまざまなプロフェッショナルな仕事があります。
それぞれが自分の役割を担いながら、必要なところでは声を掛け合い、助け合う。
この屋外劇場も、多くの人の「仕事」と「仕事」がつながって完成しました。

建設は「育ての苦しみ」
完成した劇場を初めて見たとき、何を感じましたか?という問いに、Tさんから出てきたのは、「気持ちよい」という素直な一言でした。とくに、竣工写真を見た時に、この工事に携わってよかったと、感じたそうです。
主に実際の現場での調整に携わってきたMさんには、「責任を果たした」という気持ちがあったそうです。
一方で、現場代理人のCさんは、
「ほっとしたとともに、さみしい気持ちもありました」と振り返ります。
工事中は自由に行き来していた「自分たち」の現場も、完成すれば次の段階へと引き渡されます。
これまで自分たちの手の中にあったものが、自分たちの手から離れていく。
その感覚について話していると、Mさんから、こんな言葉が出てきました。
「設計は生みの苦しみ。建設は育ての苦しみ」
それは、自分の手から子どもが旅立っていく気持ちに似ているのかもしれません。
Aさんもまた、工事が終盤に入ると、それまで現場にたくさんいた人たちが、それぞれの持ち場を終えて一気に現場を離れていったことを振り返ります。人の姿が急に少なくなった現場を見て、寂しさを感じたそうです。
完成した瞬間に感じるのは、達成感や安堵だけではありません。
長い時間を過ごし、たくさんの人と一緒に作り上げてきた現場だからこそ、手を離れるときには寂しさも残る。完成という一つの区切りには、そんなさまざまな気持ちが重なっていることを語ってくれました。

現場で学んだ「相手をリスペクトすること」
今回の現場は、若手社員のAさんにとっても、多くの経験を得る機会になりました。
入社した頃と比べて変わったところを聞くと、先輩からは「調整力やコミュニケーション力が上がった」「我慢強くなった」という声が。
そしてAさん自身は、
「口出しせずに任せることも、時には大事。相手をリスペクトして仕事を進めることが大事だということを学びました」
と話してくれました。
これから、この場所でどんな光景が生まれるのか
工事を終えた屋外劇場は、「AECオープンエアー シアター ぎのわん」として、これから多くの方が利用する場所となります。
ステージや客席でそれぞれの経験や思い出を重ねるでしょう。
工事に携わった4人にとって、完成は一つの区切りです。
けれど、この屋外劇場にとっては、ここからが新しいスタート。
自分たちがつくったこの場所で、これからどんな光景が生まれていくのか。
現場を離れた後も、そこに足を運ぶ人たちの姿を、きっとそれぞれの思いで見守っていくのだと思います。
